AIネイティブ世代

80年代後半の第2次AI黄金時代に教育を受け、その後の長い冬の時代を知っている世代*1としては、基本的にはAIに対する態度はとても慎重で懐疑的である。

実際、当時のAIは期待先行で実態はショボかったから、膨らみすぎた期待が弾けた瞬間に分野自体も終了したのは当然といえば当然である。そして、その栄枯盛衰をみれば懐疑的になるのも道理である。

ところが現在の第3次AI黄金時代は、期待を超えた結果が次々と現れる驚異の時代であり、旧世代からみても長らく持っていたネガティブな固定観念を覆すに十分な技術的ポテンシャルがある。

世界中の大学でAI関係の授業があり、すでにAI技術ネイティブの卒業生が世界中のIT業界はもとより全産業界に散らばり始めている。あと5年もすればUnder30はAIネイティブ世代になっている。10年もすれば脂の乗った働き盛りの連中は皆AIネイティブ世代になっている。 前のAI時代と異なり今回のAIブームが恐ろしいのは、あと10年たっても下火になっている様子が想像できないことだ*2。だから前のAI時代のようにAIに参入した才能が無駄になることは決してない。それどころか改革を加速していくだろうと予想している。

ということで、唐突ながらpg_plan_inspectorに”Self-Driving DBMS”のワードを入れた。

github.com

胡散臭く感じるかもしれないが、他業種がコンピュータによる設計、制御、管理を数10年前*3から取り入れているにもかかわらず、肝心のコンピュータ業界自体が未だにアナログな設計論と実装論、運用論に止まっているのはおかしいと素朴に思う。

現役でいられるのはあと5年くらい、というか5年くらいで引退したいのであるが、それまで先端で活動するためにはAIの勉強が必須なので、落ちこぼれないようにコツコツとお勉強しております。

*1:超優秀な同級生や先輩たちが当時のAI分野に飛び込み、才能を無駄使いして討死していったのを観てきた。

*2:産業構造も以前とはかなり異なるように見える。以前は例えばLispマシーンやConnection machineなどハード屋がシステム開発して販売してユーザが使う的なものだったが、現代ではGoogleやTeslaなどユーザ自身がハードまで開発している。もちろんNVDIAみたいなのがまだまだ主流だけども。

*3:CADなんて80年代には普通に建築分野で使われているのに、IT業界ではまともな設計支援ツールが未だ登場していない。開発はアジャイルって中世の丁稚制と何が違うのかというレベルに留まっており、未だサイエンスもエンジニアリングも欠片も存在しない。