Die Olympischen Spiele sind vorbei.

2013年9月*1に招致が決まったオリンピックがやっと終わったらしい。らしいというのは、TVがないとオリンピック関連の動画はyoutubeをはじめどんな動画サイトであろうと1秒たりとも観ることができないためで、さすが映像権などあらゆる権利をガチガチに管理して金儲けに邁進する世界最大級の商業イベントである。

「温暖で晴天の日が多く、選手たちが自分の力を思う存分発揮できる理想的な気候」の下*2、106人中30人しか棄権しなかったマラソンや、1人しか吐かなかったトライアスロンなど、快適な環境で競技が行われたようで何よりである。

オリンピックが始まる前から英語圏での情報は酷いものばかり*3であったが、YAHOOのヘッドラインは別の世界線のように世界中諸手を挙げてオリンピックを歓迎、日本のオモテナシに感嘆しているように見えたのでよかった。やはり母国語で心地よい文章だけを読むのは精神衛生上非常によい。

もちろん開会式も閉会式も1秒たりとも観ていないのであるが、文化的にも文明的*4にも日本の国力を反映した非常によい開閉会式だったようである。ゲーム音楽東京音頭まで飛び出したようで、国際的なイベントで自国民のノスタルジーにのみ訴えかけるという、内向き後ろ向きの出し物というのも自国開催の特権である。他国の視線など気にせず、165億円もの巨費を投じて自国民にしか通じないコンテキストの出し物をだせて、(結局何人辞めて、最終的に誰が担当なのかは知らないが)企画の人間も大満足だろう。

費用といえば、開催決定時に「これで東京のインフラを再構築できる」など開催を歓迎する声が多数あり、それを聞くたびに「コンパクト五輪、世界一金がかからない五輪と言ってるのに頭おかしいのか」と常々思っていたのだが、頭がおかしかったのはこちらだったようである。 なにせ現時点で3兆円を超え、これにチケットの払戻しや競技場の維持費など、4兆円を超える額がこのオリンピックに投入されるようで、これだけの金額が市場に流れ込めば、アテネやリオはじめ五輪後に経済クラッシュした他国の例に反し、経済も安泰である。 もちろん金の配分には仲介業者の介在が不可欠であるが、未開の発展途上国でもない限り、50%も80%もピンハネされるはずはないから安全安心である。

オリンピック期間中の感染爆発により、日本だけで観測されていた世にも奇妙なPCR検査否定論者*5が続々と検査しろ派に転向しているのも良い傾向だろう。 そもそもPCR否定論は2020年オリンピック開催のために感染者数を正確にカウントしたくなかった人たちの方便*6であり、終わってしまった今は否定する意味もない*7 *8。20兆円というコロナ予備費の使い残しも、パソナなどを使って迅速に国民に還元されるだろう。

*1:311からわずか2年半後で、10万人以上が避難生活していた時期だ。

*2:開催決定時に開催反対を表明すると非国民呼ばわりしていた人たちも、さぞかし爽やかな夏の日々を過ごしたことだろう。

*3:https://www.thesun.co.uk/sport/tokyo-olympics-2020/15640779/swimming-triathlon-poo-ecoli-water-games/ https://www.foxsports.com.au/tokyo-olympics-2021/swimming-in-poo-fears-of-sewage-leak-in-olympic-venue/news-story/9152e330a7dc15866a02646810cbd96b

*4:一番の出し物のドローンがIntelのものだったそうで。

*5:ワクチン否定論は世界各国で観測されたが、PCR検査否定論、しかもそれが主流というのは日本だけ。

*6:「日本の夏は温暖」「メルトダウンした原発はアンダーコントロール」と堂々と嘘をつく人間が2020年時点でも開催の可否について実権を持っていたことは事実であり、実際に1年延期したことも事実である。

*7:『日本はCTがあるからPCRはいらない』とか言ってた人たちも、さすがにもう消えたようである。CTでわかるということはすでに肺炎初期なので、それまでに感染してウイルスをかなりばら撒いている。PCRなら頻度をあげればばら撒き始めに検出できる。ま、PCRを受けたくても国が拡充しない方針なら検査できないで感染する不安に駆られるのは当然かもしれないが、だからといって馬鹿でもわかる簡単な扇動に乗っかってはいけない、あくまで「検査させろ」と主張しなければならない。検査しないということはログなしでトラブルシューティングするようなもので、計測しなければ予防はおろか実態把握すらできないのだが、それがわからない人間が自称エンジニアのなかにも相当高い割合(過半数以上、というかほぼ100%、判を押したような否定論を述べるかリツイートしていた。)いたというのは、、、、、実はそれほど驚きでもなかった。これに限らず明らかに意図的な誘導を試みているネットの意見に簡単に乗せられていくのをこの10年くらい観測し続けているので。驚くほど均質で、昆虫の群れを観察しているような感覚になる。

*8:実際、政権与党は昨年から事務職まで含めてPCR検査しているし、無理やり開催するためにオリンピックで選手含め関係者は頻繁にPCR検査をすることも周知になってしまったので、今更否定論を続けるのも苦しいだろう。さらにワクチン摂取しても(重症化率は下がるがそれでも)感染する(水疱瘡並の感染力を持つという)デルタ株がドミナントになって昨年のイタリア、スペイン、ニューヨーク並の事態がこれからやってくるのが確実なわけで、Take care. 実際、デルタ株、ラムダ株は洒落にならん。